子どもが生まれる前、妻からこんなことを言われました。

「ねえ、臍帯血って知ってる?保管した方がいいみたい」

正直、何のことか全くわかりませんでした。

妻はYouTubeで人気インフルエンサーが私的保管を体験している動画を見て、4月12日に資料請求まで済ませていました。その後、何度かDMが届いたそうです。

mamaのexcitedの表情

ねえ、臍帯血って知ってる?インフルエンサーが保管してたんだけど、私たちもしておいた方がいいかも。

papaのquestionの表情

さいたいけつ……?初めて聞いた!

調べていくうちに、公的バンクという選択肢があることを知りました。

そして、産院に確認したら対応していなかった。

出産を控えた今、この経験を残しておきます。同じように悩んでいる方の参考にもなれば。

こんな方に読んでほしい記事です
  • 妊娠中で臍帯血保管を検討しているパパ・ママ
  • 私的保管の費用が高すぎると感じている方
  • 公的バンクという選択肢を知らなかった方
  • 妊娠初期〜中期で、まだ確認できる方

臍帯血って何?出産の瞬間にしか採れない血液

臍帯血とは、赤ちゃんとお母さんをつなぐへその緒(臍帯)と胎盤に残る血液のことです。

造血幹細胞が豊富に含まれており、白血病などの血液疾患の治療に使える可能性があります。

1つだけ覚えてください。出産の瞬間にしか採取できない、一生に一度の血液です。

「知らなかった」では取り返しがつきません。妊娠がわかった段階で一度調べておくことをおすすめします。

選択肢は2つ:公的バンクと私的バンク

臍帯血の保管には、大きく2つの選択肢があります。

公的バンク(無償) 提供した臍帯血は、不特定多数の患者さんの移植用として管理されます。費用は無料ですが、自分の子ども専用には確保されません。

私的バンク(有償) 自分の子どもや家族のために専用で保管するサービス。費用がかかりますが、将来自分の家族が使える可能性があります。

「4〜5万円くらい?」費用を見て驚いた

妻から届いた資料を見たとき、正直驚きました。

「4〜5万円くらいかな」と思っていたのに、全然違いました。

現在、厚生労働省に届け出がある民間バンクはステムセル研究所とアイル株式会社の2社のみです。10年間保管した場合の費用は以下の通りです。

プラン内容10年総額
ONEホーププランさい帯血またはさい帯のどちらか一方約35.8万円(月々2,980円)
Wホーププランさい帯血+さい帯の両方約47.8万円(月々3,980円)

途中解約はできません。※料金はキャンペーン等により変動する場合があります。最新の金額は公式サイトでご確認ください。

papaのsurprisedの表情

35万円……!?4〜5万くらいかと思ってたのに、全然違う。

mamaのworriedの表情

でも、生まれてから後悔するのは嫌だし……子どものためなら払った方がいいのかな。

FIREを目指している身として、35〜48万円は簡単に払える金額ではありません。

でも「もし将来後悔したら」という気持ちも、正直ありました。だからこそ、感情ではなく数字で考えようと決めました。

数字で向き合った:実際に使われる確率は0.04%

私的保管で保存した臍帯血が実際に使用される確率は、約0.04〜0.05%、つまり2,000人に1人程度というデータがあります。※

さらに、いくつかの重要な事実があります。

血液疾患では自己由来が使えないケースがある 白血病など血液疾患の多くは、自分の血液(私的保管)を使えない場合があります。同じ遺伝的リスクを持っているためです。そのため他人の臍帯血の方が治療効果が高いこともあります。

保管会社の存続リスク 過去には廃業した民間バンクの事例もあります。数十年にわたる保管を前提とするサービスのため、会社が存続し続ける保証はありません。

日本の医学会は積極的には推奨していない 日本産科婦人科学会なども、私的保管を積極的に推奨する立場は取っていません。

papaのthinkingの表情

2,000人に1人……10年で35万円。年3.5万円か。使う確率がほぼないなら、その35万円には別の使い道がある。

FIREを目指す上で、お金の使い方には敏感でいたいと思っています。「子どものためなら」という感情は大切にしつつ、同時に冷静な判断もしたかった。

では公的バンクは?提供するほど選択肢が広がる

公的バンクについても調べました。

厚生労働省のデータによると、公的さい帯血バンクで保存している臍帯血の中から、90%以上の方が4抗原以上適合する臍帯血が見つかるとされています。※

また、臍帯血は骨髄移植と比べてHLA(白血球の型)が完全に一致していなくても使いやすいという特徴があります。つまり、公的バンクでもほとんどのケースでカバーできる可能性があります。

そして気づいたのが、提供者が増えるほど、将来自分の子が必要になったときの選択肢も広がるということです。

papaのseriousの表情

自分や家族のためという気持ちと、誰かや誰かの赤ちゃんのためという気持ちが——同じくらいあった。だから公的バンクを選ぼうと思いました。

数字を並べて夫婦で話し合いました。

  • 使用確率は約0.04%
  • 公的バンクで90%以上が適合品を見つけられる
  • 費用は10年で35〜48万円

「自分の子のためにも、他の家庭のためにも、公的バンクに提供しよう」——その結論が出ました。

産院に確認したら、対応していなかった

産院に相談すると、こう言われました。

「うちは公的バンクとは提携していないんです」

確認したのは4月中頃(妊娠19週ごろ)でした。

私的バンク(ステムセル研究所)は全国1,400以上の産院と提携しているのに対し(※ステムセル研究所公式サイトより)、公的バンクに対応している産院はずっと少ないのが現状です。

papaのworriedの表情

調べて、話し合って、決めたのに。産院が対応していない。気持ちが決まっていた分、余計に残念だった。

結果として、今回は提供も私的保管もしませんでした。

産院の選択はお母さんにとって大切なものです。相性・距離・信頼感——公的バンクができるかどうかだけで産院を決める必要はないと思っています。それでも、早めに確認していれば、別の選択肢があったかもしれないとは感じました。

出産を控えたママとパパに伝えたいこと

この経験から、2つをお伝えしたいと思っています。

① 臍帯血に興味のある方は、妊娠がわかったら、最初に産院へ確認することをおすすめします。 公的バンクへの提供を希望する場合、産院が提携しているかどうかを妊娠初期に確認してください。

ホームページに記載しているところもありますが、書いていないことも多いです。直接問い合わせるのが一番確実です。私たちも確認するまでわかりませんでした。

② 私的保管を検討しているなら、まず公的バンクも調べてほしい インフルエンサーの体験談から知る方が多いですが、公的バンクという選択肢もあります。費用・確率・医学的見解を比べた上で、ご家族で判断してみてください。

どちらを選んでも、それぞれの家族の判断だと思います。ただ、「知らなかった」という状態だけは避けてほしいです。

まとめ

公的バンク私的バンク
費用無料10年で35〜48万円
自分の子専用
使用確率適合品が見つかる確率90%以上実際に使う確率約0.04%
医学会の推奨推奨積極的には推奨せず
産院の対応施設少ない全国1,400以上

臍帯血は出産の瞬間にしか採取できません。

後悔のない選択のために、早めに情報を集めることをおすすめします。

今日から1つだけやること: 今の産院(または候補の産院)が公的バンクに対応しているか、次の検診のときに聞いてみてください。1分の確認が、後悔を防ぎます。

同じ妊娠期の話として、妻の食べつわりをサポートした6週間の記録や、妊婦のRSウイルスワクチンをパパが調べた記録も書いています。

papaのsmileの表情

ちゃんと調べて、夫婦で選んだ結論です。後悔はありません。次の子のときは必ず妊娠初期に確認します。


※使用確率のデータ:ステムセル研究所・ミネルバクリニック調べ
※公的バンク適合率:厚生労働省「赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(臍帯血関連情報)」

参考文献:
厚生労働省「赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(臍帯血関連情報)」
日本赤十字社「さい帯血バンクについて」
ステムセル研究所「プランと料金」
ミネルバクリニック「臍帯血保存はした方がいい?メリット・デメリットと費用を徹底解説」